副手根骨骨折
こんにちは。
放馬して柵にぶつかってしまったという馬について、直後は問題なかったのですが、
1週間後に腕節から球節にかけて腫れてきたとのことで診察しました。
診察時は腕節以下に重度の腫脹がみられ、軽度の屈曲痛がみられました。
その2日後に腫脹が変わらず、また腕節の屈曲痛および外側の圧痛が顕著にみられました。
そのレントゲン検査で矢印に示すような副手根骨の骨折がみられました。


このような副手根骨の骨折は一般的には、外傷などの外的要因によって発生します。
そのため、競走馬と障害を飛ぶような乗馬でよくみられます。
また、副手根骨の骨折は他の手根骨の骨折と比べて稀です。
臨床症状としては
腕節掌側の腫脹、手根管の腫脹、腕節の屈曲痛、副手根骨上の圧痛および捻転音などがみられ、跛行を呈します。
確定診断はレントゲン検査によってされます。
ただ超音波検査を併用することで手根管内の状態を評価することができ、治癒過程で検査をすることがあります。
副手根骨の骨折は通常、3ヶ月から6ヶ月の馬房内休養による保存療法が一般的とされています。
副手根骨は複数の筋肉や靭帯が上下に付着しています。

(緑書房 カラーアトラス獣医解剖学上巻 より)
そのため、骨折した副手根骨に対して、常に引っ張る力がかかることから治癒が遅延することが多くなります。
癒合の遅延を防ぐため、副手根骨の骨折については螺子固定またはプレート固定が選択される場合があります。
しかし、副手根骨は骨自体が薄く、かつ彎曲しているため手術が難しいとされています。
また、副手根骨の近位背側の小骨片では摘出手術の適応となることがあります。
NM