関節炎治療について
こんにちは。2年目のHTです。
今回は関節炎治療についてです。
馬の関節炎や変形性関節症は
若馬から古馬まで幅広く問題となる競走馬の代表的な運動器疾患です。
足向きの悪さ、負重のアンバランスさ
↓
滑膜の炎症
↓
サイトカイン放出
↓
軟骨基質分解酵素(MMP)活性化、プロテオグリカン減少、関節液の粘性低下 etc.
といった具合に病態が起こり、疼痛により運動パフォーマンスが低下します。

慢性的な炎症が続くと、画像のように
管骨のくびれや種子骨の尖り等、骨の変形となって現れます。
そんな厄介な関節炎ですが、日高診療所ではこんな薬を用いて治療します。
◯ペントサン

抗炎症作用と軟骨保護作用を併せ持つ薬です。
関節内で軟骨分解に関わる酵素(MMP)を抑制し、プロテオグリカンの減少を防ぎます。
また関節液の性状改善や滑膜炎の抑制、血流改善による関節環境の底上げにも関与するとされています。
筋肉内投与で、初週は週1回×4週間、
2クール目以降は2週に1回にペースダウン使っていきます。
即効性というより、継続投与で関節の状態を整えていくイメージです。
ペントサンの他にも様々な治療法がありまして、
・ヒアルロン酸注射(ハイオネート、ヘイロー)
関節液の粘弾性を改善し、滑走性の向上と炎症の軽減を図ります。
軽度〜中等度の関節炎で使いやすく、安全性も比較的高いです。
・再生医療(IREP、PRP)
自己血由来の成分を利用し、炎症抑制と組織修復を促す治療。
慢性例や従来治療で改善が乏しい症例で選択されることが多です。
・サプリメント
グルコサミン、コンドロイチンなどの成分を含み、
軟骨成分を補う目的で使用されます。
効果は緩やかで長期的なケア向きです。
等々、複数の方向性からアプローチが可能です。
最近慢性的な球節炎の馬を診ていたのですが、ペントサン投与で調子が戻り
無事、競馬場へと旅立っていきました。
ペントサン、素晴らしい!
HT