競走馬のスピード遺伝子について

競走馬のスピード遺伝子について

こんにちは。1年目のHTです。

 

競馬では1000m~3600mまで様々な距離のレースが開催されますが、

もしあなたが調教師、オーナーだったとして、近々デビューする2歳馬をどのレースに出せばいいでしょうか?

 

育成牧場での評価、血統背景、調教時の動きや気性、馬格など色々なファクターを鑑みて総合的に決定を下すわけですが、

その1つに「スピード遺伝子」というものがあります。

今回はそのお話を掘り下げていこうと思います。

 

 

◯MSTN(ミオスタチン遺伝子)

筋肉量と遅筋/速筋の比率を決める遺伝子で、

いくつかあるスピード遺伝子の中でも最も重要視されています。

 

SNP型で3種類に分類でき、

遺伝子型特徴距離適性
CC型速筋が多い・爆発的スピード短距離(〜1400m)
CT型バランス型マイル〜中距離
TT型遅筋が多い・持久力型中〜長距離

上記の表のように特徴があります。

 

有名どころだと、

ロードカナロアはCC型、ディープインパクトはTT型だと言われています。イメージ通りですね。

 

ちなみにミオスタチンは筋肉の発達を”抑える”タンパク質で、

これが働かない・作られない「ミオスタチン欠損症」を患った動物は、筋肉量の増加が止まらず画像のようなゴリマッチョ体型になってしまいます。

画像:AI生成

 

 

◯PDK4(エネルギー代謝)

脂肪と糖の使い分けに関わり、

 

・高活性型 → スタミナ・持続力、ハイペース消耗戦が得意

・低活性型 → 瞬発力寄り、スローペース直線勝負が得意

 

といった具合に得意なレース傾向の参考になる遺伝子です。

 

 

◯DMRT3(走り方・リズム)

ピッチ走法・ストライド走法の差に関与すると言われる遺伝子です。

競技馬等で主に参考となる指標です。

 

 

◯LCORL / NCAPG(体格・フレーム)

体高・骨格・成長の大きさに関わる遺伝子です。

 

同じく3種類に分類でき、

遺伝子型体高傾向意味
AA型高くなりやすい大型フレーム
AG型中間平均的
GG型低めコンパクト

このような特徴を示します。

 

大型で足の長い馬はストライドも広く、

中長距離の道中で速いペースでレースが流れても、他の馬より有利に(低燃費で)走ることができます。

 

 

 

日高診療所でもたびたび遺伝子検査の依頼があり、

採血したものを検査機関に送り、結果をクライアントに報告します。

 

 

 

以上、スピード遺伝子のお話でした。

 

どうやらパクチーが食べられる・食べられないも遺伝で決まっているらしいです。

不思議ですね。

僕は結構好きです。

 

HT

 

◯参考文献

The “speed gene” effect of myostatin arises in Thoroughbred horses due to a promoter proximal SINE insertion [Mary F. Rooney et al.  PLOS ONE 13(10): e0205664. ]

 

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