日々の診療:強肝剤と血液検査と。

日々の診療:強肝剤と血液検査と。

日常 競走馬に対して、特に競馬場では”強肝剤” を使うことが多々あります。

治療薬としてというよりも、どちらかというと「元気がない・疲れている」「食いが悪い」「強い調教をした」「(夏)暑いから」等の理由からいわゆる保健薬として使うことの方が多いです。

上記の状態が悪い馬では 血液検査を実施することもありますが、育成馬・競走馬は基本的には若く健康な馬達なので 一般的な血液検査で異常が見つかることの方がむしろ少ないのです。

しかし中には次のような異常が見つかるケースもあります。

とある2歳の育成馬、競馬場入厩に向けて調教をしていましたが 歩様を含め状態が良くないということで相談を受けて血液検査を行ったところ、γGTPが109U/Lと高い値を示していましたが それ以外はCBC・生化学含め明らかな異常は認められませんでした。

γGTP(γグルタミントランスフェラーゼ, GGT)は馬では肝機能障害の指標であるとされます。
中でも高値を示すものをGGT症候群と呼び、これは主にトレーニング不適応に起因する 酸化ストレス・胆汁うっ滞が関与することが原因と考えられていて、特に100U/L程度もしくは超えるような高い値の場合は パフォーマンスの低下に繋がるとされているそうです。

この馬は1ヶ月程度休養することで状態が徐々に良化、その後の血液検査でもGGTは正常値に戻り、最終的には無事に入厩することができました。

*馬のγGTP 参考基準範囲:11-22U/L(富士フィルムVETシステムズ)。
*参考資料:公獣協ニュースより「サラブレッドおよびスタンダードブレッド競走馬におけるプアパフォーマンスを結成生化学検査から評価する方法(翻訳)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

人間の場合は若い馬達と違って 不養生・加齢を含め血液検査に影響する要素が多いかもしれません。

カワタでも年一回の健康診断があるので、今年も「何も検査でひっかからないと良いな…」と不安を抱えながら 病院にいってこようと思います!

S

コメントは受け付けていません。