気管支内視鏡
北海道日高は、寒くなったり暖かくなったり12月らしくない天候です。
さて先日、肺出血を起こしたことのある馬の気管支内視鏡検査を行いました。
肺出血について詳しくはこちら。
レポジトリーや異常呼吸音での内視鏡検査は鼻腔から咽喉頭まで上部気道の検査ですが、今回の検査は気管から気管支の下部気道の検査になります。
馬の喉頭は鼻端から約40cm、気管分岐部は約135cmに位置します。
ですので、上部気道内視鏡検査で使う有効長1.4mのスコープでは気管分岐部までしか見られないため、気管支を見るには胃の内視鏡検査でも使う3mのスコープを用います。
気管支内視鏡検査を行うには気管支の分岐パターンを知っておくことが必要です。
馬の気管支内視鏡検査のために気管支分岐命名がされています。
この命名法では、気管分岐部で左右に別れた気管支(主気管支)を前葉、後葉および副葉の各気管支(葉気管支)に分け、さらに区域気管支に分類されています。
また区域気管支は分岐方向によって、背側、腹側、内側、外側に分類されます。


気管は気管分岐部で右主気管支と左主気管支に分岐します(上記図2a)。
右主気管支の内径は左よりわずかに大きく、直線的に分岐します。
右主気管支にスコープを進めると、その背外側壁から右前葉気管支が分岐します(同図2b)。
右主気管支は右前葉気管支の起源のすぐ遠位で、腹内側壁から副葉気管支を分岐します(同図2c)。
その後、右後葉気管支を進むと、右後葉気管支は外側壁、背側壁、内側壁、腹側壁からの4系列の区域気管支に分かれます(同図2c,f)。
左の気管支分岐は、副葉気管支を除いて基本的に右側と対称です(同図2g-k)。
なお内視鏡スコープが挿入できるのは左右の後葉気管支だけで、前葉気管支には挿入できません。
今回の検査では鼻出血直後の検査ではありませんでしたので、出血などの異常所見はみられませんでした。

参考文献
Identification of the Bronchi for Bronchoscopy in the Horse and Segmentation of the Horse Lung. Ryuichi WADA et. Al. Jpn. J Equine Sci, 3(1): 37-43 1992.
来年は午年です。
良い年になりますように!

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