手根管腱鞘
橈骨遠位のオステオコンドローマ(骨軟骨腫)が手根管腱鞘を傷つけていたため跛行を呈しており、腱鞘鏡手術を受けた馬が、先日復帰から2勝目をあげました。
関係者の皆様、おめでとうございます。
そこで今回は手根管腱鞘について書こうと思います。
手根管腱鞘は、手根関節の裏側で、浅指屈筋腱の副靭帯の近位部、副手根骨と関連する靭帯、掌側靭帯、大きな横走靭帯(屈筋支帯)等で形成される手根管という構造の中に含まれます。
手根管腱鞘は、橈骨手根関節の近位6~8cm(7~10cmとも)から遠位にかけて、中手骨の中部にある深屈筋腱とその副靭帯の癒合部まで伸びています。
手根管腱鞘の中には浅指屈筋腱とその副靭帯、深指屈筋腱、橈側手根屈筋、正中動脈と神経が含まれます。
腱鞘の近位端は、わずか数mmだけ遠位に続く2つのポケットに分かれています。
遠位では橈骨の骨端中央レベルから副手根骨中央レベルまで、腱鞘の拡張部があり、深指屈筋腱と浅指屈筋腱を覆っています。
この拡張部は、深指屈筋腱と浅指屈筋腱の間に滑膜鞘の独立したポケットを作り、これは手根中手関節のすぐ遠位で終わります。

手根管腱鞘は、浅指屈筋腱と深指屈筋腱への摩擦を最小限に抑える役割を果たしていると考えられています。
腱鞘液が増え、手根管腱鞘が膨張すると、中手骨領域の内側または外側、遠位前腕の内外側、深指屈筋腱とその副靭帯の間に腫脹が見られます。
橈骨遠位で手根管腱鞘が傷ついているかどうかは超音波検査で確認できます。
冒頭の馬もレントゲン検査だけでなく、超音波検査も行うことで診断できました。
ただこの部位の超音波検査を行うことは少ないです。
だからこそ解剖学的位置をしっかりと把握することが必要です。
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