レポジトリー資料の見方
みなさん、こんにちは。
一年目獣医師のHTです。
入社から半年弱、業務にも慣れ、診療についての知識や技術も
徐々にではありますが向上を実感する今日此の頃です🐎
8/18~23の6日間ではHBAサマーセールが実施されました。
総勢1390頭、売却総額76億円という日本最大規模のセリでした。

そんななか、我々カワタエクワインプラクティスの獣医師は
「馬体チェック」「レポジトリー評価」の業務に勤しみます。(馬体チェックについてはこちら)
今回はレポジトリーについてのお話です。

レポジトリーというのは上場馬の医療情報開示システムのことで、四肢のレントゲン画像や喉の内視鏡動画が公開されています。
購買者はこれを参考にリスク評価をし、買う馬の選定をするわけですが、
これを獣医師に依頼することもできます。
依頼を受け、購買者に情報提供することがセリ場での仕事の一つです。
一部ではありますが、クイズ形式でレポジトリーの見方を紹介していこうと思います🦴
第1問
右の飛節の画像です。異常所見はどこでしょうか?

正解は・・・

脛骨中間稜のOCD(離断性骨軟骨症)でした。

上の画像が正常です。並べるとわかりやすいですね。
この場所のOCDは発症率4.7%と比較的よく発見される所見です。
臨床症状を示すことは少なく、跛行を示す場合でも手術で摘出すれば競走能力に影響を及ぼすことは少ないです。
第2問
左の後膝の画像です。異常所見はどこでしょうか?

正解は・・・

大腿骨内側顆のボーンシスト(軟骨下骨嚢胞)でした。

上の画像が正常です。
この部位は馬の駐立時に体重がかかるためよくボーンシストが発生する場所です。
この症例ではシストが関節面に開いていないためそこまでリスクは高くありません。
関節面に開いたシストはやっかいで、ヒアルロン酸投与による保存療法、シスト内へのステロイド注射や関節鏡掻爬術などの対応がありますが、治癒には時間がかかります。
第3問
左後肢の球節の画像です。異常所見はどこでしょうか?
少し難問かもしれません。

正解は・・・

種子骨底部関節面の骨片でした。

上の画像が正常です。関節面に異物は映らずキレイですね。
球節部の骨片、特に前肢の関節面に位置するものは、調教開始後に球節炎や跛行を呈するリスクが高いです。
この症例は骨片のサイズが小さく、後肢であるためそこまでのリスク評価とはなりませんが、注意が必要な所見です。
今回はここまでとさせていただきます。いかがでしたでしょうか?
他にも頻出の所見はたくさんあるので、機会があればまたブログで紹介したいと思います。
ではまた次の記事でお会いしましょう!
HT
参考文献:発育期の軽種馬におけるX線検査ガイド [日本中央競馬会 日高育成牧場発行]