繋における浅屈腱炎
こんにちは。
超音波検査(エコー検査)は馬の軟部組織をみるための一般的な検査です。
屈腱炎の診断に頻繁に使用されます。
俗にエビとも呼ばれる浅屈腱炎は不治の病で、治療法がなく、再発率も高い病気です。

↑浅屈腱炎(エビ)を呈した脚。
多くの場合は上の写真のように管の掌側に発症しますが、今回は繋部での浅屈腱炎を紹介します。
繋掌側のエコー検査では以下のように観察されます。

「ADAMS AND STASHAK’S LAMENESS IN HORSES SIX EDITION」より
解剖学的に浅屈腱は上腕骨内側上顆から起こり、第2指骨(中節骨)の近位端で外側と内側の隆起部に終止します。
今回の症例は右前肢の繋掌外側の腫脹、圧痛、熱感がみられました。
エコー検査では以下の画像で矢印で示しているように、浅屈腱外側枝に損傷がみられました。
外側枝は内側枝と比べて黒い領域が多くみられ、屈腱に炎症像があるのがわかります。

分枝における浅屈腱炎の一般的な臨床症状は跛行、繋掌側の局所的な腫脹、熱感、圧痛です。
腫脹は屈腱の損傷から3~4日後に現れることが多く、浅屈腱の内側枝は外側枝よりも発症率が高いことが知られています。
治療は損傷部位、範囲、程度によって異なりますが、通常の屈腱炎と同様のリハビリテーションが必要で休養期間は6~12か月かかります。
他の治療法としては消炎剤投与や患部へのPRP(多血小板血漿)や幹細胞の注入などがあります。
参考:ADAMS AND STASHAK’S LAMENESS IN HORSES SIX EDITION
NM