
蟻洞
蟻洞とは蹄壁中層と内層が分離し、感染を伴い、空隙が広がる蹄の病気です。
原因として、運動中の反回時に蹄尖部の蹄壁を剥がそうとする力が繰り返しかかることで起こるとされています。
症状として、白線の状態や蹄壁の打音に異常を示します。
跛行は感染の有無によりさまざまです。
診断はX線検査で行われます。
それでは蟻道のレントゲンを見てみましょう。
左前蹄のレントゲンを真横から撮ったものです。

矢印で示すように黒いラインが見られます。
計測したところ、5cmほどの蟻道が確認されました。


また、角度を変えて撮ってみました。
黒いラインの見え方も変わってきます。
感染層を開放し、消毒をすることが治療です。(馬臨床学、P154)
どのくらいの長さの空洞がどの範囲まで広がっているかをレントゲンで計測し、装蹄師さんや厩務員さんと話し合って、治療していかなければなりません。
獣医だけが認識していても、蟻洞は治せません。
関係者にどれだけわかりやすく情報を共有できるかも獣医師の仕事の一つです。
頭を悩ます症例を多数抱えていますが、それを超えたら一人前になれるのかな‥‥
K