
咽頭虚脱
一般的に喉鳴りとして知られている喘鳴症ですが原因となる疾患は様々です。
今まで当ブログでは喉鳴りの原因となる疾患として
喉頭片麻痺、DDSP、喉頭蓋エントラップメントなどを取り上げてきました。
今回は咽頭虚脱を紹介させていただきます。
咽頭虚脱とは運動中の吸気時において吸気圧に耐えられず咽頭壁が狭まる(虚脱する)疾患です。
他の呼吸器疾患と同様に異常呼吸音、パフォーマンスの低下がみられます。

咽頭虚脱が認められた症例の運動時内視鏡画像(第 43 回生産地における軽種馬の疾病シンポジウムより)
安静時では咽頭壁(★)が虚脱して気道が狭くなっています。
咽頭虚脱は運動時に症状がみられる疾患ですので、
安静時内視鏡検査では診断できず、運動時内視鏡検査でのみ診断することができます。
下の画像は咽頭虚脱がみられた症例の安静時内視鏡像です。
咽喉頭に異常な所見はみられません。

症例も少なく、有効な治療法はなく、症状をみながら調教を進めていくしかないのが現状です。

北海道ではまた雪が積もりました。まだ寒い日が続きそうです。
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