
様々な種子骨骨折
最近、種子骨骨折の症例を見る機会が多いのでそれについて記載していきます。
近位種子骨骨折は、種子骨が繋靭帯と種子骨靱帯によって上下に引っ張られることで起こるとされています。
治療として、
種子骨の近位1/3以下の大きさの骨折では、外科的に骨片の摘出が行われ、予後は比較的良いとされています。
種子骨の底部骨折では、関節鏡手術もしくは関節切開術による骨折片除去が行われ、5から6割の馬が競走復帰できます。
それでは種子骨骨折のレントゲン画像をみていきましょう。
これは近位1/3ほどの骨折です(矢印)↓↓↓。


骨片除去の手術が可能とのことで、手術を実施した症例でした。
次に底部の骨折↓↓↓


これは、骨片の大きさがそこまで大きくないので、骨片摘出の手術を実施しています。
次に底部の骨折で骨片が大きい症例↓↓↓


これは骨片が大きいので、ボルトを入れなければならないとのことでした。
これらのように種子骨骨折と言っても、部位や大きさによって、処置や予後に関して差が出てきます。
レントゲンを撮り、骨折が判明した時にどこまでクライアントに説明できるか、
手術適応なのか、どう言った手術になるのか、予後はどうなのか、
そういった説明も獣医師の仕事の一つです。
知識や経験に基づいて適切な診断を心がけていきたいですね。
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