動物種差についての雑談

動物種差についての雑談

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。



今回は動物の種差についてお話しようと思います。


私たち獣医師は1年に1度行われる国家試験を合格することで獣医師としての資格を得ることができます。

その国家試験では、犬、猫、牛、豚、馬などの飼育動物はもちろんのこと、ミツバチや魚についての出題もあり、かなり膨大な範囲となります。

また動物の病気に関係する虫や寄生虫や、人や動物に有害な植物の勉強も必要となります。

他にも環境衛生や法律も勉強するのですが、特に面白くて難しいと思うのが、それぞれの動物の体の仕組みの違いです。



例で「胃」を挙げますが、

まず動物によって形や大きさも違いますが、中の粘膜の分布、はたまた胃の数(牛は4個)まで様々な違いがあります。


(上図2つ、チクサン出版社、カラーアトラス獣医解剖学 上巻より)


馬は胃から食道に向かう噴門部の周囲の筋(噴門括約筋)が他の動物と比べて発達しており、また食道の入り口が斜めになっていることなどから、嘔吐ができないとされています。


このことが原因で疝痛時に消化器に通過障害が起こった際、胃破裂を起こすとされています。

他にも、嘔吐ができない動物はネズミやハムスター、ウサギなどが挙げられます。


馬とは違って、犬は噴門部がロート状に広くなっており、容易に嘔吐ができる構造になっています。

また馬と同じ大動物でも、牛は一度胃に入ったものを口に吐き戻し、再び咀嚼する「反芻」を行います。



このように胃だけでなく、食道の構造や粘膜の分布にも「種差」がありますが、

これくらいで終わりたいと思います。



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さて、来月2月12日、13日には獣医師国家試験が行われます。


解剖学は「獣医学の基本的事項」として必須問題に出題されます。


私自身の話ではありますが、あまりにも解剖学は奥が深すぎるので

臨床的、病態的に重要な項目を抑えて、そのあとは解剖学の沼にはまらないようにしていた記憶があります、、、。


あとはそれぞれの大学で出回っている替え歌なんかは楽しく勉強できたのでオススメです。

これから寒くなりますが、試験を受けられる方は体調に気を付けてがんばってください。





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NM


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