続・歯科治療
今回は狼歯について書かせていただきます。
前回の記事でも触れましたが、狼歯は進化の過程で退化した第1前臼歯の痕跡のことであり、ほとんどの馬に見られます。
が、必ずしも生えているわけではなく、片方にしか生えていない馬もいるなど様々です。
狼歯はちょうどハミがあたる場所に生えてくるので、馴致の際にハミ受けに悪影響を及ぼすため、馴致の前に抜いておく必要があります。
抜歯は侵襲が大きい処置であるため鎮静下で行います。
鎮静が効いてきましたら開口器を装着、口腔内を洗浄、狼歯の周囲の歯肉に局所麻酔薬を塗布します。
抜歯はエレベーターと呼ばれる器具で狼歯と周囲の歯肉を剥がすようにして行います。
先端部は様々な大きさがあり交換可能で、大きさにあったものを選びます。
ほとんどはエレベーターのみで抜歯できますが、狼歯が大きい場合はエレベーターで歯肉を剥がした後、鉗子で引き抜くこともあります。
歯科治療のシーズンも終盤にさしかかり、行う頭数も減ってきました。
来年は質も数も上げていきたいと思います。
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