歯科治療
1歳馬の馴致が始まり、それにあわせて歯科治療を行う機会が増えてきました。
今回は馬の歯について書かせていただきます。
馬の歯の数ですが牡馬、牝馬で異なり
牡馬で切歯12本、犬歯4本、前臼歯12~14本、後臼歯12本の合計40~42本
牝馬で切歯12本、犬歯0本、前臼歯12~14本、後臼歯12本の合計36~38本
となっています。
前臼歯の本数が異なるのは狼歯(第一前臼歯)の有無によるものです。
牝馬には犬歯はないとされていますが、稀に小さいものがみられることもあるようです。
馬の歯は年間4mmほど伸び続けることと、上顎が下顎よりも大きくズレがあることから
咀嚼を繰り返すことで、上顎の外側と下顎の内側の臼歯が徐々に尖ってきます。
これを斜歯(エナメルポイント)といいます。
斜歯が口腔内を傷つけてしまって、飼い食いやハミ受けに影響するだけでなく
跛行、疝痛にもつながることもあるので、削って整える必要があります。
その際に使われるのが以下の道具です。
開口器
頭絡の様に装着し馬の口を開き治療を行います。
歯鑢(しろ)
先端にヤスリが付いており、その部分で斜歯を削り整えます。
写真の下のものは上顎用の歯鑢で、先端が曲がっています。
また整歯の際は、斜歯だけでなくハミ受けが良くなるように
第2前臼歯の先端を丸くするビットシートをつくることも重要です。
馬の歯は伸び続けるので、半年程度の間隔で歯科治療をするのがよいでしょう。
Y