タイプVII型の蹄骨骨折について
1歳馬の蹄のレントゲンを撮影した際に、このような所見がみられました。
掌突起にしっかりと骨折線が認められ、蹄骨骨折だと分かります。
ただこの馬は両前肢にこのような所見がみられ、その箇所の痛みはまったくありません。
蹄骨骨折には主に以下の7種類の骨折タイプがあります。
①掌突起の骨折(Ⅰ、Ⅶ型)
②伸筋突起の骨折(Ⅳ型)
③蹄骨辺縁が欠けている骨折(Ⅵ型)
④矢状骨折(Ⅱ、Ⅲ、Ⅴ型)
今回の症例では、タイプⅦ型に該当します。
これは大きな衝撃によってできた骨折ではなく、18ヶ月齢以下の馬に関してはよくみられる骨折です。
蹄骨の骨化中心は、掌突起に存在します。
掌突起は産まれてから12ヶ月以上かけて徐々に骨化し、18ヶ月齢ごろには完全に骨化します。
そのため18ヶ月齢までに骨は閉鎖し切れず、上の画像のようにみられることがあります。
このような所見がみられても特に内固定はする必要はなく、保存療法で予後は良いとされています。
なかなか栗東では1歳馬を診ることがないので、このような症例はとても新鮮でした。
当歳馬、1歳馬ならではの症例も改めて今後勉強していこうと思いました。
O