
蹄骨骨折
4月下旬になり、急に暑さが押し寄せてきました。
馬も気温の変化には敏感で、蕁麻疹や疝痛症状を示す事が増えているように感じます。
さて、今回は蹄骨骨折についてです。
蹄骨骨折は調教や競走を行う競走馬において、発生が多いとされています。
骨折部位によりタイプ分けがされ、蹄機作用が働くことにより、骨癒合がしにくいのが特徴です。
以下のレントゲン画像は蹄骨骨折から3年程が経過した症例です。

おそらく関節面に至っていた骨折であったと想定できます。
3年経過後でも骨折線は色濃く残っているのがわかります。
次の症例は右前肢蹄骨内側の骨折が見られた馬です。
以下の画像は発症後半年程が経過した時のものです。

この症例も半年が経ったものの、骨折線自体は無くなっておらず、蹄機作用による骨癒合の難しさを感じます。
蹄骨骨折の症状は跛行が見られる点や指動脈の亢進、蹄の熱感、
関節面に至る骨折では蹄関節の腫脹が認められます。
蹄骨骨折は予後含め難しい症例となることも多いですが、
早期に気づいてあげられるように日々の触診の中でも頭に入れておかなければなりません。
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