馬糞の処理について

馬糞の処理について

500kgの馬が1日に排泄するボロ(馬糞)の量は、約25kgだそうです。

また馬房の敷料には、藁や木のオガクズが使われることが多いのですが、尿等を吸ったこれらの敷料も 馬糞と共に毎日廃棄をしなければなりません。

例えばこの牧場さんでは、約15馬房分の1日の廃棄量は、下の写真のように軽トラ山盛りの量になるそうです。

どのように処理をしているのかというと、これまでは肥料(堆肥)として農家さんに出して使ってもらうのが一般的な方法でした。

「馬糞を肥料にして作った〇〇です!」というキャッチフレーズで売り出されている野菜を、みたことがある方もいるかもしれません。馬糞処理・野菜作りという、まさにWIN-WINの関係が成り立っていました。

しかし近年その農家さんの数が急激に減って、馬糞の処理が難しくなっており、これが馬関係者の新たな悩みの種となっています。

農水省の統計情報によると、基幹的農業従事者は平成27年は175.7万人いたのに対し、令和4年には122.6万人に減少・その内65歳以上が86万人(平均年齢68.4歳)だそうです。

実際に、滋賀の牧場ライジングでも、以前は岡山の業者さんに引き取ってもらっていましたが、最近は場長が軽トラで運ぶ毎日。これから数年先まで、今の農家さんに安定して受け入れてもらえるのかどうかも分かりません。

そんな状況を踏まえて、先日ある施設で新しい馬糞処理システムについて、見学をさせていただき、担当の方にお話を伺って参りました。

そのシステムでは、微生物によって馬糞・敷料がかなり高い割合で分解されて、さらに排水も必要無いというもので、環境にも優しく、後処理の必要も無いそうです。まさに、新たなWIN-WIN関係の誕生です。

ライジングへの導入は、あとは費用その他についての検討となりますが、

それでも今の日本の様々な現状を考えれば、今後はこういったシステムが馬業界でも一般的に普及していく・必要なものになっていくのでは無いでしょうか。

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もちろん関東の茨城県・千葉県と農業が盛んなエリアでは、今も肥料として馬糞が大変重宝がられているところもあるようです。

もしかしたら自分がみた馬が関係しているのかなと想像すると、野菜がさらに身近なものに感じます。

そして美味しい野菜を作ってくれる農家の皆さんに、只々感謝です。

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