馬のスピード
こんにちは。
今年は暖冬のようですが、日高では本格的な寒さに入り-10℃を記録しています。
育成馬に関わっていると調教メニューの中で
「ハロン17」や「F15」などの言葉を見聞きします。
わたしははじめこの言葉の意味が分かりませんでした。
ハロン(furlong)は距離の単位であり、1ハロンは正確に201.168メートルですが、
日本の競馬では便宜上、1ハロンを200mと換算して使用しています。
つまり、「ハロン17」や「F15」は「200mを17秒or15秒のペース」で
坂路やコースを走った、ということになります。
育成馬たちはこのタイムを縮めたり、
走る本数を増やしたりすることによって調教負荷を増やしていきます。
「F15」ですと時速48kmになります。
当然ですがレースではさらにスピードが出ます。
長距離レースでは「F12~13」でおよそ時速54kmとなります。
短距離レースでは「F10~11」でおよそ時速70kmとなります。
過去の短距離レースでは時速75kmという速さが記録されたこともあります。
このように圧倒的なスピード感でレースを盛り上げる競走馬たちですが、
実は私達が競馬で目にするサラブレッドたちよりもさらに速く走る馬がいます。
それはアメリカンクォーターホースです。
アメリカのクォーターレースで時速92kmという記録を出しました。
アメリカンクォーターホースはサラブレッドに比べ、
小柄で温厚な性格で日本では乗馬として見られることが多いです。
アメリカではクォーターレース用の競走馬として活躍していますが、
日本では競走馬として活躍する姿を見ることはほとんどありません。
スピードでサラブレッドに勝るクォーターホースが
日本で競走馬として活躍しない理由は、
日本には1000m未満のレースが存在しないからです。
クォーターホースは瞬発力には優れていますが、
持久力はサラブレッドの方が優れているため、
短いコースでも1000mある日本の競馬ではサラブレッドのほうが適しています。
日本の競馬はスピードだけでなく、レース中のスピード配分や持久力、
位置取りなども勝敗に関わる重要な要素です。
上記のこと以外にも様々な要素を加味しつつ、
勝敗を予測しなければならない難しさが日本の競馬の醍醐味だと思います。
MK