喉頭片麻痺のグレード
こんにちは。
セリのレポジトリー撮影も山場を越えました。
レポジトリーの内視鏡検査では
馬ごとに喉頭片麻痺のグレード評価をしています。
喉頭片麻痺は披裂軟骨を外転させる機能を担う
背側輪状披裂筋が麻痺することにより
気道狭窄と呼吸障害を起こす疾患です。
喉頭片麻痺のグレードは以下のように分類されています。
(Havemeyer Grading System)
上図はサマーセールの内視鏡検査でみられた喉頭片麻痺の馬の検査画像です。
右側の披裂軟骨(矢印)と声門裂が動かない状態となり、気道が狭窄しています。
本馬は喉頭片麻痺のグレード4です。
また、喉頭片麻痺はほとんどが左側にみられ、
本馬のように右側にみられることは稀です。
今年、カワタエクワインプラクティスでは
サマーセールでの内視鏡検査を193頭行いました。
喉頭片麻痺グレード別頭数の内訳は以下のようになりました。
喉頭片麻痺のグレードと競走成績の関係性について、
グレード2までは競走成績に影響を及ぼさず、
グレード3以上となると喘鳴症を発症することが多くなる、と言われています。
ただし購入時のグレードが1であっても、
購入後にグレード4の喉頭片麻痺を発症する事例もあります。
今回の調査ではグレード3以上の所見がみられた馬は7頭で
割合は、全体の3.6%でした。
サマーセールの会場にあったポスターに載っていたある外国の獣医師の意見として、
「内視鏡検査所見により購買を勧めない馬は全体の5%未満だ。」
とありました。
今回の調査結果から、
サマーセールに上場していた馬についても同様のことが言えると思います。
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