季節の変わり目_疝痛と補液
9月に入っても暑い日が続きますが、
毎年お盆を過ぎて朝夕の風に涼しさを感じる頃になると、疝痛で往診依頼をいただく機会が増え、
「もう疝痛の時期か…季節が変わっているんだなぁ。」と、何となく秋の訪れを感じるようになります。
疝痛の検査・治療は、個々の状態に合わせて行いますが、中でも補液は行うことが多いです。
補液をすることで、循環血漿量を増やしたり、腸分泌を起こして腸内水分量を増加させる等の効果があります。
現場では機材を必要とする血液検査は実施できないため、正確な必要量を確認することが難しいのですが、
それでも時間経過・馬体重・飲水量・心拍数・ツルゴール試験や毛細血管再充満時間などで脱水状態の確認をする等して、できるだけ必要な補液の量を推測して投与するようにしています。
馬に必要な水分量は、体重500kgの場合ざっくり目安で言えば1日25L程度、維持水分量は40-60ml/kg/dayと、されています。
さらにこの暑い時期は、ただでさえ発汗量も増え、さらに調教をしている馬もいるため、必然的に必要な水分量も増えます。
そうすると10L程度の水分が必要になることもざらにあって、ダンボールに入った補液が あっという間に無くなってしまうことも。
様々な状況で必ずしも必要な量を補液できるわけではないのですが、可能な限り馬の状況に合わせた処置をしてあげたいと思います。
これから本州は台風の時期に入ります。
皆様、早め早めの行動で、安全にお過ごし下さい。
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