
馬のフレグモーネ [蜂窩織炎]
フレグモーネは蜂窩織炎とも呼ばれ、好中球の浸潤が組織内にび慢性に広がった化膿性の炎症です。
細胞間質の融解と細胞壊死を伴います。
原因菌は一般的に黄色ブドウ球菌によるものが多く、外傷などは見られないことが多いため、気づくのが遅れる
こともしばしばあります。
感染部位は真皮から皮下組織で、馬では下肢部に好発し、腫脹や圧痛、発熱を伴います。
時に40℃近い発熱を起こし、飼い葉食いが落ちるなど全身状態にも影響する疾患です。
治療としては、抗菌薬による治療を直ちに行う必要があり、NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)との併用が実
施されます(馬の医学書 P 298)。
先日、フレグモーネを罹患した馬を診察しました。

左飛節よりやや遠位の内側の写真です。
化膿性の炎症が見られ、膿が体外に排出されるような状態になっています。
腫脹と圧痛が見られ、体温も40℃近くまで上がっていました。
抗生物質とフェニルブタゾンの投薬をし、消毒の実施や可能な限り清潔に保つ事を実施しました。
現在、体温は落ち着き、患部も肉芽組織に覆われ、治癒過程を進んでいます。
早期発見、早期治療が重要な疾病ですね。
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