
競馬場の入厩検査
はじめまして。
わたしが栗東に来てから、あっという間に3ヶ月が過ぎ去りました。
まだ不慣れで戸惑うこともありますが、それ以上に毎日学ぶことがたくさんで、とても充実した日々を送らせていただいております。
さてわたしは最近、名古屋競馬場の開催業務のお手伝いをさせていただいております。
その中でも今回は入厩検査について書いていきたいと思います。
競走馬が競馬場に入る際には、主に健康手帳と同一の馬であるか、ワクチン接種の有無、歩様などの獣医師のチェックが必要不可欠となります。
個体識別としては、「マイクロチップ番号」、「性別」、「毛色」、「特徴」を確認します。
競走馬のマイクロチップの挿入は、現在義務付けられており、競馬の出走条件としても定められています。
ちなみに国内初のマイクロチップ導入馬は、ディープインパクトでした。2006年フランスの凱旋門賞に出走するために埋め込まれたそうです。
馬の左側頚部中央、たてがみの生え際から約5cm下方に埋め込まれたマイクロチップの番号をマイクロチップリーダーで読み取り、確認します。
以下のようにマイクロチップリーダーはさまざまなサイズ・形状があります。

マイクロチップの読み取りは、以下の写真のように行います。

日本におけるマイクロチップ番号は、
392(国番号:日本)11(動物番号:馬)80(代理店番号)XXXXXX(個体番号:8桁)
入厩検査の際は、個体番号の下5桁で個体を識別しています。
馬によってマイクロチップが挿入されている位置が微妙に異なっていたり、2歳馬だとマイクロチップリーダー自体に慣れておらず、向けた瞬間怖がって暴れる子がいたりと、やってみると見た目以上に難しかったです。
また「特徴」としては、白斑(顔・肢部にある模様)、旋毛(人間でいうつむじ)がある位置により、それぞれ細かい名前がついており、全部を把握して確認するのは一苦労でした。
(馬の顔の特徴についてを参照)
その作業を獣医師は、1頭あたり1,2分ほどで行っています。
競馬場で働く獣医師の仕事として、競走馬の病気や怪我を治療する診療業務だけでなく、予防注射・入厩検疫を行う防疫業務もとても重要な仕事です。
そのような業務を実際に体験し、また違った角度から競走馬と関わることができたのが、とても良い経験となりました。
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