DDSPと喉頭蓋の構造について
馬の喉鳴りは気道が狭くなることにより聞こえる異常呼吸音の症状のことですが、
さまざまな病態が原因となります。
育成段階の馬で多くみられるの喉鳴りの原因としてDDSPがあります。
DDSPは軟口蓋背方変位のことです。
(DD: Dorsal Displacement 背方変位、 SP: Soft Plate 軟口蓋)
内視鏡検査では以下のようにみえます。
運動時にDDSPの状態になると気管の入り口が狭まり、
『ゴロゴロ』っと音が鳴り、呼吸が苦しくなることがあります。
また、安静時の内視鏡検査の際に一時的にDDSPがみられる場合もあります。
舌を縛り、調教することにより症状がみられなくなること、
馬が成長することにより自然と症状がみられなくなることがあります。
DDSPとなる原因のひとつとして喉頭蓋の構造があげられます。
喉頭蓋の長さ、厚さ、辺縁の構造、などです。
短く薄く、辺縁が巻き上がる喉頭蓋の馬はDDSPになりやすいです。
反対に喉頭蓋が長く厚い馬はDDSPにはなりにくいように思います。
今週、育成段階でDDSPの症状があった2歳馬が
門別競馬場で出走し、勝利しました。
その馬は舌縛りをしながら調教を進めていましたが、
早期にデビューすることができました。
今後の活躍にも期待しています。
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