飛節について(滑液包、腱鞘):その1
今回は飛節の滑液包や腱鞘についてです。
まず、滑液包と腱鞘とは何でしょうか?
腱が骨など硬組織の上で方向を変えたり、移動したりするときに
圧力や摩擦で損傷することがあります。
こうした場所で腱には防御形式、すなわち局所的な軟骨化や骨化、
そして滑液を満たすクッション構造である滑液包や腱鞘があります。
腱が一面だけ、損傷の危険にさらされる場合は
嚢(滑液包)がその側に挿入されます。
周辺のもっと大きい部分に損傷の危険があれば、
滑液鞘(腱鞘)が腱のまわりを包みます。
飛節の背側には、前脛骨筋、第三腓骨筋の腱が終止し、
長趾伸筋の腱、外側趾伸筋の腱が通過します。
これらすべては飛節の屈筋で、
遠位に伸びる長趾伸筋と外側趾伸筋は、趾の伸筋とされます。
前脛骨筋は、脛骨の外側顆と脛骨粗面から起こります。
前脛骨筋の腱は、第三腓骨腱の裂け目を通ったあと、2枝にわかれます。
大きい方の背側枝は第三中足骨の粗面に終止し、
小さい方の内側枝は内側側副靱帯を横切り、第一・二足根骨上に終止します。
内側側副靱帯を通過する場所に滑液包が挿入されています。
第三腓骨筋はほとんど全部が腱質で、長趾伸筋とともに大腿骨の下端に起こり、
長趾伸筋の深部に隠れ、飛節で2枝にわかれます。
外側枝は踵骨と第四足根骨に終止し、
背枝は第三足根骨と第三中足骨近位に終止します。
この腱は膝関節と飛節の機能を結びつけており、
断裂した時は、正常では不可能な動き、
すなわち膝関節を曲げたまま、飛節を伸ばすことができます。
長趾伸筋の停止腱は下腿下部で始まり、基節骨、中節骨への付着を通り越して、
末節骨(蹄骨)の伸筋突起に終わります。
長趾伸筋腱は飛節を通過する場所で腱鞘に包まれ、
3本の支帯で保定されます。
外側趾伸筋は、膝関節の外側側副靱帯ならびに脛骨と腓骨の隣接付近から起こり、
下腿の外側面で長趾伸筋と深趾屈筋の間を走行し、
長趾伸筋腱と合して終わります。
飛節を通過する場所では腱鞘に包まれ、支帯で保定されます。
次回は飛節の底側・内側の滑液包や腱鞘について、です。
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