
馬の飲水量
こんにちは。
徐々に気温も上がってきて、
馬も人も飲水量が増えてきたように思います。
そこで
今回は馬の飲水量についてお話します。
水桶、と一般的に呼ばれるこのバケツは水が約20L入ります。

20Lの水が入ったバケツを運ぶのは、
かなりの重労働です。
満タンにしたバケツも
暑い日や馬が運動した後だと
あっさりと飲み干されてしまうこともあります。
適度な気温・湿度下で軽作業を行っている馬(環境温度15〜20度、体重500kg)では
1日の水分喪失量(22〜37L)にあった量の給水が必要とされています。
(樋口徹、「馬臨床学」、緑書房、2014年出版より)
つまり
1頭あたり1日にこの水桶のだいたい2杯分は必要になってきます。
自動の給水機(ウォーターカップ)もあるようですが、
飲水量を正確にモニタリングできないことが難点です。
ときどき、草をバケツにいれて
茶色っぽい水にしている馬をみかけます。

水に味をつけているのか、
草を濡らしているのか、、、、
たまに、水桶にボロ(糞)をしてしまい、
茶色っぽい水にしている馬もいます。
馬はボロが入った水は飲めないので、
水桶の水が飲める状態かどうか、
水が清潔に保たれているか、
確認することは大切です。
脱水症や飲水量の低下は、
熱中症や便秘疝による疝痛の原因にもなります。
脱水してるかどうかをチェックする方法のひとつに、
ツルゴール反応というものがあります。
写真のように、馬の肩の前方の皮膚をつまみ

離す、というものです。

このように、
脱水していない馬であれば、つまんだ皮膚は2秒以内に元に戻ります。
脱水がある場合には元に戻るまで2〜5秒かかります。
重度の脱水では10秒以上かかることもあります。
軽度の脱水では飲水することで回復しますが、
重度の脱水では輸液療法が必要なこともあります。
人も馬も、これからの暑い時期は
こまめな水分補給がやはり大切です。
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栗東に新しく獣医師が1人入ってきてくれました。
手本になれるよう、頑張ります。

夏に向けて、毛刈りされたメイちゃん
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NM