副管骨骨折
年の瀬も迫り、今年も残りわずかとなりました。
今年も大変お世話になりました。
2022年最後のブログを更新していきます!!
先日のレントゲンで副管骨骨折の所見が見られたが馬がいたので、この疾病について記載していきます。
まず、副管骨とはどの骨でしょうか。
管骨(第3中手骨)は知ってても副管骨は聞き慣れない方も多いかもしれません。
副管骨とは第二中手骨(内側中手骨)及び第四中手骨(外側中手骨)のことを指します。
馬において、副管骨の骨折はしばしば起きるもので、その骨折が跛行の原因になるとは限りません。
副管骨近位部の骨折は外傷によるものが多く、遠位部の骨折は疲労骨折である場合が多いです。
副管骨遠位部は比較的自由に可動するため近位部に比べ骨折しやすく、中骨間筋(繋靭帯)の炎症を伴うことが多いとされています。
緑書房 馬の解剖アトラス P27より
また、今回の症例では 第二中手骨 及び 第四中手骨 共に骨折が確認され(下記に画像添付)、
管に腫脹や熱感、繋靭帯における触診痛も確認され、上記に記載の通り繋靭帯の炎症を伴っている可能性が高いと考えています。
手術は適応可能で、遠位部の骨折には外科的切除を行いますが、副管骨の近位 1/3 は手根部の機能を保持するために保存する必要があるとされています。
状態が悪化する前に早期発見が必要です。
2022年のブログもこれで締めさせていただきます。
来年もまたよろしくお願い申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
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