飛節の外傷
今年もあと少しになりました。
今日は天気が大荒れで
北海道の一部地域では停電になっていたそうです。
飛節背側の皮膚欠損部位が大きい外傷の馬を治療しました。
1歳、牡。
セリで購入された馬で、セリの10日前に牧柵を飛び越えて受傷したとのことでした。
跛行はみられず、歩様は問題がありませんでした。
検査で骨や伸筋腱は問題はなく、
傷口を小さくするために、収斂作用があるビスマスという薬を塗布しました。
飛節背側の皮膚欠損は治りにくいといわれています。
曲げる度に押し潰され、伸ばすと引っ張られるためです。
受傷から3週経過時
セリでの購買後、牧場へ移動してきました。
洗浄と消毒をして、受傷部をきれいに保つようにしていました。
4週目(1ヶ月)
皮膚欠損部大きく、結合組織がコブになっていて、折れ線が出来ています。
傷口の状態が落ち着き、ウォーキングマシン運動を開始しました。
5週目
ビスマス塗布を開始しました。
8週目(2ヶ月)
ビスマスを塗布する前と比べて
傷口は縮小してきていました。
16週目(3ヶ月半)
ビスマス塗布し、傷口は縮小してきましたが、
変化は小さくなってきました。
傷の状態は落ち着いており、馴致、調教を開始しました。
18週目(4ヶ月半)
馴致を開始して1ヶ月半経過、
F17-18の坂路調教を行っています。
調教を開始して、コブが小さくなってきました。
22週目(5ヶ月半)
傷口はさらに小さくなり、
結合組織でコブになっていた部分もほとんど無くなっていました。
ビスマスの塗布で傷口は小さくなりましたが
調教をはじめてから、更に外傷部の治癒が進みました。
運動により、血行が促進されることが関係したのでしょうか。
受傷1ヶ月時点から考えると、
現在5ヶ月半程度経過した状態は予測できませんでしたが
馬の状態が良くなりうれしく思います。
UR