リードホース
こんにちは
あっという間に寒くなって衣替えが間に合わずにいます。
私は9月の中頃から2週間ほど社台ホースクリニックさんで研修させていただきました。
研修中にはカンファレンスもあり、大変興味深い症例についての発表も聞くことができました。
また、今回クリニックさんで見させていただいた症例や手術については社内でも共有し、ディスカッションをすることでさらに知見を広めたいと考えています。
さて、
私は栗東所属なので、獣医師になってから現役の競走馬を主にみてきました。
それに対して北海道は繁殖・生産やイヤリング(中間育成)がメインなので、
今回の研修で初めて繁殖牝馬や当歳馬(今年生まれた仔馬)を実際に見ることができました。
仔馬は離乳するまでの約半年間、お母さん馬と一緒に生活します。
クリニックさんでの研修中はちょうど離乳が終わったぐらいの時期だったので、当歳でもお母さんと一緒に診療にやってくる馬と、一頭でやってくる馬とがいました。
診察前に馬の体重を測るのですが、
お母さんと一緒にやってきた仔馬の体重を測るときは、壁でお母さんが見えなくならないよう、
常に馬同士お互いが見える位置で曳くように気を付けていました。
(写真はライジングの体重計です。)
また、当歳馬が疝痛(ハライタ)などで入院する場合、お母さん馬も一緒に入院していました。
仔馬たちは離乳後から1歳の夏以降の調教厩舎への移動までの間、
同い年の仔馬同士の群れで放牧されています。
その中には、リードホースと呼ばれる成馬が一緒に放牧されることがあります。
このリードホースとは、仔馬の群れのリーダーになる馬のことです。
繁殖を終えた牝馬がなることが多いそうですが、
最近ではセン馬のリードホースもいるそうです。
研修中の往診先で、その日初めてリードホースとしてデビューするセン馬がいました。
当歳の群れと初顔合わせということもあり、鎮静剤を投与してほしい、という依頼でした。
リードホースとして選ばれた馬であっても、
放牧地で寄ってきた当歳を蹴ったり噛んだりしてしまうこともあり、
このように適性がない場合、リードホースをクビになってしまうこともあるそうです。
その日デビューしたリードホースは放牧地に入るとすぐに仔馬たちに囲まれていましたが、群れになじんでいました。
興味津々の仔馬たちをずらずらと率いながら放牧地を歩いているそのセン馬は
文字どおり、リードホースでした。
これからも、彼のリードホースとしての活躍を願います。
馬の獣医師になって初めて北海道で生活する馬を見ましたが、
馬の発育ステージや生活環境の違い、
またそれに起因する疾患の違いなどを身をもって知る、貴重な機会となりました。
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観光する時間があったので、
開催日ではなかったのですが、札幌競馬場に行ってきました。
勝負服も並べてみるとなかなか映えスポットですね。
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NM