近位種子骨骨折
台風も近づき、猛暑が続いていて、荒れた天気が続いていますね。
皆さんそれぞれ自分の体調を気遣ってあげてください。
今回、私は近位種子骨骨折について記載していこうと思います。
近位種子骨の骨折はどのように起こるのでしょうか。
種子骨は球節の懸垂装置の一部として、繋靭帯からの牽引を受けています(下写真の5番が種子骨)。
馬臨床学P123より
運動時に繰り返し生じる球節の過伸展により、種子骨に疲労性の損傷が生じるとされていて、これが種子骨骨折の原因とされています。
先日、右後肢を蹄尖のみで負重している馬のレントゲン撮影を実施し、近位外側種子骨の骨折を認めました。
骨折した骨体の範囲も大きく、競走馬としての予後は難しい症例です。
また、種子骨骨折は前肢に多いとされていますが、この症例は後肢であり、頭の中で先入観を持つすぎてはいけないとも感じました。
痛みの消失後、繋が緩くなる馬いるため、経過をみて行く場合には注意が必要です。
獣医師として日々成長し続けなければいけませんね。
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