管骨骨膜炎
こんにちは。栗東はもう夏です。
私は日差しに焼かれてすっかり小麦色の肌になってしまいました。
新馬戦が始まり、新しい産駒の活躍が楽しみです。
特に私は個人的に好きな馬であるサトノダイヤモンド産駒に注目しております。
さて今回は、そんな若馬の疾患である管骨骨膜炎を紹介します。
管骨骨膜炎とは、管骨(第三中手骨)の前面中央に発症する骨膜炎を指します。
別名ソエとも呼ばれます。
この管骨骨膜炎は、若馬の跛行の最も多い原因の一つです。
原因は正確には不明ですが、骨が完全に骨化していないような未熟な若馬の管骨に過剰な負荷がかかることによって起こるものと考えられています。
また、過剰な運動負荷に加え、硬い馬場や重い騎乗者、筋肉や腱の疲労なども発症要因と考えられています。
管骨骨膜炎は両前肢に同時に発症することが多く、管骨の前面はある程度腫脹し、熱を持つことがあります。
そして発症初期では著しい疼痛を示すのが特徴です。
良化後にも、疼痛を伴わない新生骨の膨隆が管骨前面に残ることがあります。
再発あるいは疼痛が著しい場合は、皿状骨折や亀裂骨折の可能性があり、レントゲン撮影を必要とします。
下の画像は管骨骨膜炎を発症した2歳馬の管骨のレントゲン画像です。
このレントゲン画像では管骨の前面に白矢印で示すような若干の膨隆(骨膜反応)が見られます。
この症例は、休養しながら患肢の冷却とショックウェーブ治療を行いました。
数日で疼痛は良化しましたが、管の腫脹は残りました。
治療法としては、休養が最も良いとされます。
通常、10〜14日の休養で良化し、調教に戻ることができますが、無理をして調教を継続した場合には症状のさらなる悪化につながります。
また、調教は軽めから次第に強くしていくことが重要です。
若馬がトレーニングを積み、無事レースで活躍できるよう、このような病気の原因追究や発症予防、また早期治療が望まれます。
栗東の暑さに負けないよう今日も熱心に昼寝をするメッシです。
じつは先日私は軽い熱中症になってしまいました。。。
みなさまも熱中症や体には気を付けてお過ごしください。
NM