OCDと関節鼠
1歳馬の飛節には離断性骨軟骨症(OCD)がみられることが多くあります。
関節軟骨の発育過程の異常で、
壊死した骨軟骨片が剥離するために生じる病変です。
先日、飛節が腫れた1歳馬のレントゲン検査を行いました。
触診では飛節の関節液増加が確認でき、
レントゲン検査では脛骨中間稜にOCDがみられました。
上の方にある小さい矢印で示した部分が
脛骨中間稜にみられるOCDです。
下の方の矢印で示す部分にはゴミのような白いものがみられます。
これはおそらく
関節内に存在する骨軟骨片だと思われます。
関節内にある小さい欠片であるためか、関節鼠(Joint Mouse)と呼ばれています。
レントゲンで示した部分が関節鼠かどうかを正確に診断するには、
関節鏡で確認する必要があります。
また、関節鼠がみられる症例は
関節液の増加が顕著であることが多いです。
本症例のレントゲン写真でも関節液の増加が確認できます。
矢印で示した膨らんだ部分に関節液の増加がみられます。
本馬の治療は2次診療施設で関節鏡手術が行われます。
飛節のOCDは関節鏡での除去手術を行えば予後は良いとされています。
北海道も雪が溶けて地面が見えてきました。
気温も高くなってきて、春が近づいてきています。
UR