馬の心臓
競走馬の獣医師をしていると心音を聞く機会は多くあります。
鎮静剤を投薬する前に心臓に異常はないかの確認 や 追い切り後における状態確認での聴診なども実施します。
心臓の解剖学的位置関係を添付しておきます。
(馬の医学書 P111より)
競走馬において循環器系の重要性は言うまでもありません。
競走馬は非常に高い運動能力を有している分、それを支える心機能も発達していなければなりません。
馬の心臓の重さは、牛や人に比べて重く、体重の約1%ほどと言われています。
また、より活動的で調教をこなしている競走馬では心臓重量が重くなっていきます。
安静時の心拍数は30〜40拍/分ですが、トレーニングをこなしている馬では25〜30拍/分ほどの子もいます。
循環器系を語るにあたっては心拍出量も重要です。
心拍出量とは心臓から駆出される1分あたりの血液量であり、心拍数と1回拍出量の積で表されます。
競走馬の安静時の1回拍出量は0.8L〜0.9L、心拍出量は25〜35L/分です。
上記で説明してきた競走馬の心臓について理解しつつ、診療に取り組むことも重要と考えています。
話は変わりますが、今年開催のノーザンファームマラソンに出走登録しています。
競走馬とまではいかないですが、日々トレーニングして完走を目指します。
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