回虫が出た

回虫が出た

「前日にボロ(糞)に回虫が混じっていた馬が、疝痛になった」という連絡がありました。
 
 
 
疝痛はそこまで重度ではなく、通常通りの治療を行ったところ、症状は落ち着きました。
 
糞便を用いて虫卵検査をしてみたところ、回虫卵がみられました(EPG185)。
 

 
 
 
この馬は約1ヶ月前にイベルメクチンによる駆虫を行っており、また新規感染するとは思えない飼養環境であったため、
 
おそらくイベルメクチン抵抗性の回虫だと考えられます。
 
 
イベルメクチンは優れた効果を持つ駆虫薬であり、多くの場所で頻繁に使われていますが、
 
抵抗性を持つ回虫が、すでに数多くみられるそうです。
 
 
 
回虫は馬に感染すると体内移行し、小腸では粘膜に吸着することはありませんが、宿主である馬と栄養を競合してしまいます。
 
今回の馬は以前から痩せており、なかなか体重が増えなかったそうなのですが、このせいもあったのかもしれません。
 
 
 
また、一般的には成馬では回虫に対し免疫を持つようになるため、あまり感染はみられないそうです。
 
 
私もこれまで虫卵検査をしてきた中で、小円虫はしばしば見かけましたが、成馬で回虫卵はあまり見ることはありませんでした。
 
 
そしてこの馬は5歳。いないだろうと思っていましたが、思い込みは禁物なようです。
 
 
 
この馬には、今回はオキシベンダゾールによる駆虫を行いました。
 
寄生虫の種類や投与歴によっても、駆虫薬を変更する必要があります。
 
 
 
 
数日後に再検査し、駆虫が効果的に行われたかどうか確認する予定です。
 
 
 
今後は怪しいと思ったら、積極的に虫卵検査をやっていこうと思っています。
 
 
 
 

 
節分に鬼と化したメイちゃん。
 
 
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