銭形模様について
競馬場で馬を見せていただくようになってすぐ、
「ゼニガタが出てきたから、この馬は状態が良いんだよ。」
と言うような話を聞くことがありました。
確かにその馬の体をみると、うっすら丸い模様のような形が出ています。
そこで「はて、ゼニガタとはなんだろう?」と思い、調べてみました。
日本では銭形とか銭形模様とか言われます。
英語では Dappleと呼ばれるものです。
(写真:「世界の美しい馬」初版第1刷 P51 グラフィック社)
この模様は、被毛の毛幹部分の赤色素と黒色素の分布によって現れます。
栄養状態の変化に対して、
毛の黒色色素の沈着をコントロールしている遺伝子が反応して、
さらに毛の状態が揃うと、模様として確認できるようになります。
例えば、
芦毛では元々持っている色素やその分布によって 常に模様が見られるケースが多くある一方で、
逆に、栗毛などはユウメラニンという黒褐色系の色素がもともと少ないため、
はっきりとした模様が現れにくいとされています。
(写真:「世界の美しい馬」初版第1刷 P45 グラフィック社)
つまり銭形模様とは、
一般的に言われている 栄養状態が良いと現れるという側面はあるものの、
そもそもは遺伝子や毛の色素が関係しているものなので、
模様が出ないからといって 栄養状態が悪いと言うわけではありません。
また手入れや胃潰瘍があるなど毛艶の状態にも、影響を受けます。
他の動物ではあまり聞かないですが、同じような現象はあるのでしょうか?
不思議な模様のお話でした。
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