育成馬の歯について
こんにちは。
今の時期、競走馬の育成牧場では
育成馬の騎乗馴致や調教が始まっています。
今回は馴致が始まる時期に行う機会が多い、
育成馬の歯の処置についての話をします。
育成馬に対する歯の処置は
主に斜歯の整歯と、狼歯の抜歯です。
まずは斜歯の整歯について。
(馬の医学書 第一版 p.89)
馬は上顎のほうが下顎よりも幅が大きいので、
咀嚼を繰り返すことによって、
上の歯の外側と下の歯の内側(写真の赤線で囲んだ部分)
が尖ってしまいます。
この尖った歯を斜歯といいます。
斜歯が口腔粘膜や舌のを傷つけてしまい、
その結果食いが悪くなったりすることがあります。
斜歯の整歯は健康上、重要な処置です。
整歯は写真のヤスリを使い、
歯の尖った部分を削り取ります。
次に狼歯の抜歯についてです。
(馬の解剖アトラス 第3版 p.29)
狼歯は第1前臼歯(P1)の痕跡であり、萌出しない馬もいます。
狼歯があると、ハミ受けに影響を与えると言われており、
狼歯の抜歯は、ウマを制御する上で重要な処置です。
狼歯の抜歯に使用する筒状の道具です。
尖端に刃がついていて、
歯肉を歯から剥がすことで抜歯を行います。
狼歯の大きさは個体により様々なので、
歯の大きさに合わせて尖端部分の大きさを変えています。
抜歯の処置は鎮静下で行いますが、
馬にとっては不快なことです。
迅速に、適切な処置ができるように頑張ります。
北海道は紅葉も終わりに近づいています。。
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