腱について
最近、浅屈腱や繋靭帯のエコー検査を行う機会がありましたので、
今回は腱の構造について書きます。
腱とは筋肉と骨をつなぐ組織です。
一方、靭帯とは、骨と骨をつなぎます。
繋靱帯は、解剖学的には中骨間筋といい、
わずかに筋肉の部分があるので、腱です。
腱の基本的な機能は、筋で発生した力を骨に伝えることで、
これによって関節の動きを可能にします。
腱は機械的負荷に抵抗する弾力性をもった密線維性結合組織で、
腱細胞と細胞外マトリックス、
すなわち主にⅠ型コラーゲンよりなるコラーゲン線維と
無定型基質(プロテオグリカンと間質液)で構成されています。
コラーゲンは腱を構成するために複雑な階層構造をつくります。
つまり、コラーゲンが集合してコラーゲン細線維を形成、
コラーゲン細線維が集合してコラーゲン線維を形成、
コラーゲン線維が束となって腱束を形成、
この腱束によって腱が構成されています。
浅屈腱を光学顕微鏡で見ると
コラーゲン線維をみることができます。
(青いのは腱細胞の核)
電子顕微鏡で見ると
コラーゲン細線維をみることができます。
なぜ、浅屈腱の真ん中に腱炎が起こりやすいのか?
それはまた今度ということで。
ちなみに浅屈腱は、解剖学的には浅指(趾)屈筋の腱なので
浅指(趾)屈筋腱といいます。
*後肢の場合は趾(し)を使います。
昔は「浅屈腱炎」とはいわず、「浅指屈筋腱炎」と言っていました。
今は「屈腱炎」「浅屈腱炎」と言ってます。
北海道は寒くなってきました。
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