夏負け
暑い時期によく聞くのが、「夏負け」という言葉。
これは簡単に言えば、夏場の高い気温による馬の体調不良です。
症状としては
・目や鼻の周りの毛が薄くなり、黒ずんで見える
(この馬は、そこまで重度ではありません)
・体温が高い
・運動後しばらく経っても呼吸が荒い
・異常に発汗している、もしくは全く発汗がみられない
・牡馬では睾丸が腫脹し、垂れ下がっている
・食欲が落ちる
といったものが見られます。
同じ厩舎で生活して、同じような運動をしていても、全くこれらの症状が出ず元気なものもいれば、少しの運動でも息が荒くなり、その状態が何日も続く馬もいます。
また、牡馬よりも牝馬の方が暑さに強い、と言われているようです。
あとは、北海道から来たばかりの2歳馬は、暑さに慣れていないためでしょうか、梅雨明け頃から夏負けの症状を見せるものが増えてくるように思います。
治療としては輸液による脱水の改善、栄養剤の投与などがありますが、それだけで完治するようなものでもないため、
治療でコンディションを整え、様子を見ながら運動させ、暑さに適応してくれるのを待つ…という感じです。
JRAのトレーニングセンターでは、厩舎にエアコンが設置されているようですが、外の牧場ではまだまだ難しいのだと思います。
そのため牧場では、馬のためにいろいろな暑さ対策をしています。
運動後は馬体に水をかけて冷やしたり、
こういったミストシャワーを取り付けたり、
ミスト付きの扇風機をつけたり、
厩舎の屋根に散水用のホースを取り付け、上から冷やしたり、など。
(見えにくいですが、水滴が屋根から落ちてきています)
あとは、発汗によって失われた分を補うために、飼料に電解質を多めに加えるといったことも。
もう9月。早く涼しくなってくれればいいのですが、残暑はまだまだ厳しいようです。
いっちょまえに、馬房に2台も扇風機をつけてもらったメイちゃん。
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