ヒザコゾウの話
今日はヒザコゾウについてのお話。
馬の膝はこの部分、
膝関節は、大腿骨・脛骨・膝蓋骨からなり、
大腿四頭筋が大腿骨と膝蓋骨を、
膝蓋靱帯が膝蓋骨と脛骨を、
それぞれ繋いでいます。
膝関節が屈曲したり伸展したりする時、
膝蓋骨は大腿骨の滑車溝という部分を滑るように動きます。
後肢に体重をかけると 膝関節は一定の角度に伸展しますが、
この時 膝蓋骨は大腿骨滑車の近位に移動し、
下の図のように引っかかって ロックされたような状態となります。
(画像:「馬の跛行 -その原因、症状及び治療- 」p.176より)
(画像:Manual of Equine Field Surgery p.77より)
そもそも膝関節・飛節を含む後肢の関節は、
第三腓骨筋や浅屈腱等から構成される
相反合同装置 / 相互機構と呼ばれる構造によって合同的に動くため、
(画像:「馬の跛行 -その原因、症状及び治療- 」p.162より)
膝蓋骨がロックされることで 後肢全体の動きがロックされた状態となり、
これにより馬は筋肉の疲労を最小限にとどめたまま、
立った姿勢を保つことが出来るのです。
元々馬は自然界で捕食される側の動物であったため、
効率良く後肢を休ませることができるように、
このような構造・機能を獲得したと考えられています。
「なんて便利な肢なんだろう!」と思いきや、
このロックが上手く外れない状態になる 膝蓋骨上方固定という疾患も存在します。
何事もほどほどが良いですね。
夏の気温も32℃位までだと過ごしやすいと感じる今日この頃です。
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