安全管理_被曝について
運動器疾患の検査で欠かせないX線検査。
特に春から秋にかけてのレポジトリー撮影期間中は、
数ヶ月の間に数百頭の四肢のX線検査を行うこともあります。
近年は一般的に被曝に関する関心・認識が高く、
従業員や立ち会う牧場の方達全員が
安全に 且つ 安心して業務に当たることができるよう、
事業所内では年度毎にデータをまとめ、
情報を共有するための勉強会を行うなど工夫をするようにしています。
現場では、まず 照射範囲は線量が高くなるため、きちんと防護衣を着用した上で、
部位にあった照射条件を選択、照射範囲を絞り、
手指や体が入らないように 且つ 照射方向に立たないように気をつけます。
機材からもわずかですが漏洩があるため、
撮影者もきちんと防護衣を着用します。
そして検査時の役割のローテーションを行うことも重要です。
上記の点に注意して線量計を使用していますが、
もちろん 法令で示されている線量限度を超えるようなことは無く、
これまで安全に検査を行うことができています。
またX線の生体への作用としては、
DNAを直接障害する直接作用よりも、活性酸素による間接的な作用が主とされており、
この活性酸素は飲酒・喫煙・ストレス・紫外線・食品添加物など
日常生活でも発生するものであるため、
普段の生活における個人の取り組みも有効だということです。
さて被曝防止の上で大事なX線防護衣ですが、
現場や運搬の際につい折りたたんでしまったり、
屋外の現場で使用するため 汚れがつきやすく、
また時には検査中に馬に蹴られることも…。
こちらの古い防護エプロン、
表面の布地部分は穴は開いていないのですが、
X線を照射して確認したところ 折り目に沿って黒く映る亀裂を確認、
つまりこの部分は穴があいてしまっているということがわかりました。
取り扱いの注意はもちろんのこと、
購入時期を記録しておいたり、
目視だけでなく定期的に損傷がないか確認するなど、
日々のメンテナンスも必要です。
実際の現場では「暑いし動きにくいから」と防護衣の着用をためらったり、
忙しさゆえについ安全管理がおざなりになってしまうことがありますが、
適切に使用し 安全に検査が進められるよう、
各自十分に認識を持って業務に当たるように注意していきたいと思います。
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