話題のウイルス
ここ滋賀県では、3月5日に、新型コロナウイルスの県内初の感染者が見つかったそうです。
関西の他の県ではすでに見つかっていましたから、まあ時間の問題かな、という感じはありましたが…。
往診先でも、新型コロナウイルスのことが度々話題に上がるのですが、
「あれって抗生剤とか効かないの?」と聞かれたりすることもあります。
そこで、細菌とウイルスについて、今一度調べ直してみました。
二者の大きな違いは、
・大きさ
・核酸の種類
・代謝するかしないか
の三つです。
大きさは、細菌は数〜数十μm、ウイルスは数十〜数百nm。細菌の方がかなり大きいです。
核酸の種類は、細菌はDNAとRNAの両方、ウイルスはDNAもしくはRNAのみを持ちます。
細菌は、自ら代謝し増殖しますが、ウイルスは単独では増殖できず、宿主細胞に増殖を依存しています。
また、細菌は生物であり、細胞膜・細胞壁をもちます。一方ウイルスはそういった構造を持たず、外殻であるカプシド内に核酸が収められています。
抗生剤は、細胞壁やDNAの合成を抑制したり、代謝を阻害することで、細菌による感染症を治療します。
そのためそういった構造を持たないウイルスには、効果がありません。
ウイルス性の疾病の治療には、抗ウイルス薬が用いられます。ただしこれは、まだあまり種類が開発されておらず、限られた疾病のものしかありません。
予防のためには、病原体を培養・不活化させたり、病原性を低下させたワクチンを投与します。
ついでに、コロナウイルスについても復習してみました。
コロナとは、ラテン語で「王冠」を指します。ウイルスの周囲に、王冠のようなスパイクを持つのだそう。
直径100-140nmで、脂質や糖蛋白からなる「エンベロープ」という構造に、カプシドが包まれています。
これはアルコールによって破壊されるため、今回の新型コロナウイルスに対しても、アルコール消毒は有効です。
(画像引用:国立感染症研究所HP https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html)
身近な動物の代表的な疾病は、
・犬コロナウイルス感染症
・猫伝染性腹膜炎
・豚流行性下痢
・豚伝染性胃腸炎
などがあります。数年前に流行ったSARSも、コロナウイルスによる疾病ですね。
一口にウイルスと言っても、様々な動物に対し、異なる症状を引き起こします。
香港では、新型コロナウイルスの患者の飼育していた犬が、ウイルスに感染していたそう。症状は出ていないようですが…
今後も新たな型や症状が出てくるかもしれませんが、免疫力を上げるために普段から体調に気をつけて生活すること、
手洗い、うがいをして、感染予防に努めることが大事ですね。
なんだかスーパーなメイちゃん。
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