謎のぷよぷよ
「先生、肘になんかできてるんだよねー」
往診先でそう言われて、診たのがこちらの症例。
右前肢の肘に、ぷよぷよしたできものがあります。
大きさは鶏卵くらいでしょうか。
中は水が溜まっているような感触。結構強めに押しても馬は平気な顔。
餌をもりもり食べていました。
熱を持っているだとか、そういうこともありません。
牧場の方に聞いても、運動にも特に支障はないとのこと。
これは、「肘腫」というもの。
横になったり起きたりするときに摩擦が生じたり、運動時に後肢がぶつかったりすることによって、
肘頭に滑液の溜まった袋ができてしまったものです。
溜まった液を抜いたり、切開して袋を取り除くこともありますが、
一度すっきりしても、再発してしまうものも多いようです。
あとは蹄鉄を変えてみたり、血行促進の塗り薬を使ったりもします。
この馬は移動が近いということ、また本人が全く気にしておらず、感染の可能性は低いだろうといったことから、
今回は様子見になりました。
本当に水風船のような感触。
人間だったらついつい気にして触ったり、ぷちっと潰したくなりそうな気もしますが、
馬にはそういった欲求は無いのでしょうかね?
補液の段ボールから救出されたニホントカゲ。
つるっとして可愛い。
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