コンフォメーションについて

コンフォメーションについて

北海道では先週のセレクトセール、今週のセレクションセールに続き

夏から秋にかけてセリが開催されます。

 

馬を選ぶ際に重要視されるのは、血統・コンフォメーションなどだと思われますが、

ではコンフォメーションとは一体、馬体のどのような点に着目すれば良いのでしょうか?

 

コンフォメーションとは、馬の身体的な外観や輪郭のことで、

競走馬としての機能に関連しています。

 

まずはサイズ、つまり馬体の大きさです。

小さ過ぎる馬はあまりレースで勝てませんし、

大き過ぎる馬は体重が重いことにより問題が出てきます。

 

次に注目するのはバランスです。

馬体が左右対称であるかを確認するために、前後左右から馬を観察します。

肺の大きさ・容積に関連する胴周りは十分な深さが必要です。

 

前腕部は左右均等に、しっかりした脛や筋肉が付いていることが望ましいです。

臀部にも十分な筋肉が必要です。

 

馬のバランスに関係する頚部は十分な長さと筋肉が必要です。

バランスのとれた馬体とは、肢の長さと胴の深さがほぼ同じです。

これはレースで必要とするエネルギーを抑え、無駄のない動きを可能にします。

 

 

前肢は馬の体重の60-65%を支えるため、

良いコンフォメーションであることが望ましいです。

 

膝節や球節の故障は、治療に時間も費用もかかります。

そのため、前肢のコンフォメーションはよく考慮するべきです。

 

競走馬において、コンフォメーションが悪い肢は

速く走れないことはありませんが 早期の故障に繋がるのです。

 

レースに出走することができ、上手くいけば長く活躍して

怪我によって早期引退をしないような馬を持つことが目的です。

 

前膝にはノックニー、オフセットニー、back at the knee、over at the kneeのような欠点があります。

 

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肢の中心から下におろしたラインが均等に分けられるのが理想です。

横から見たラインは 膝の中心から球節の中心を通って

蹄の後ろにあたらなければなりません。

膝

 

また骨の太さも重要であり、

骨が細い馬はスピードが出て大きな力が加わると怪我を招くかもしれません。

 

若馬における「ソエ」は骨が非常に大きなストレスを受けることに関連していますので、

調教やレースでのストレスに適応させるのに骨が細いと対応できないのです。

 

球節は全力疾走の際に非常に大きな力を受け、

この圧力に応じる 非常に強い強度と弾力をもった腱や靭帯があります。

そのため、これらの圧力に耐えるための良好なコンフォメーションが必要です。

 

緩い繋、立ち繋、長い繋は構造的に圧力が一定にかからないので

大きな問題につながります。

 

球節の真ん中を通るラインが蹄の後ろ側にあたらなければなりません。

 

また種子骨は的確な大きさと形でなければなりません。

 

 

蹄は適度な大きさと形であることが必要です。

 

蹄が小さいと肢を上げるときの振動が大きくなり、怪我をする可能性を引き起こします。

形の悪い蹄は同じく肢を上げるときに振動力の分布に問題を起こします。

なので、蹄にも慎重に注目することが必要です。

 

 

後肢は駆動力となります。

 

臀部からのラインは飛節と球節の後ろ側を通り、ちょうど蹄の後ろ側にあたるべきです。

後肢で見られる問題は直飛、sickle hock、そしてcow hockです。

飛節軟腫や飛節内腫がないかもチェックしましょう。

前肢の球節や蹄と同じような点に注目することが必要です。

飛節

 

背中には非常に大きな圧力がかかるので、

適切なコンフォメーションであることが重要です。

 

長すぎる背中、鯉背(背中から腰に向かって緩やかにカーブした背中)、

脊柱湾曲症(背タレ)、仙腸骨が目立つような筋肉のつき方が不均等な背中などは、

馬のパフォーマンスに大きく影響するでしょう。

 

 

以上のようなものが、馬を観察する際のポイントになります。

 

完璧な馬を見つけるのは難しく、大きな欠点は問題となりますが、

わずかな欠点は問題にはなりません。

 

例えば 日本では多くの馬がわずかにオフセットニーであり、

ひどくない限りは問題にはなりません。

 

しかし全てではなくても、これらのほとんどを満たしている馬は

優秀なアスリートのような存在感を持っており、毛色も輝いて見えるそうです。

 

 

馬を購入する、しないに関わらずこのような点に着目して

セリを見てみるのも面白いのではないでしょうか。

 

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