胃潰瘍について
競走馬の8-9割、また乗用馬でも約7割に胃潰瘍があると言われています。
馬は本来 群れで暮らし自由に草を食べる生き物ですが、
飼養されている馬は、1日の大半をそれぞれの馬房で過ごし、
飼葉の時間を決められ、また調教やレースなどの激しい運動や、
馬運車での長距離輸送など 様々なストレスの要因が存在します。
そして、人と同じくストレスを感じると馬も胃潰瘍を発症します。
胃潰瘍の主な症状には、
疝痛、食欲不振、ボディコンディション不良、間欠的な下痢、被毛粗剛、能力の低下
などが挙げられます。
確定診断は、内視鏡を用いた画像診断となります。
これは馬の胃の模式図です。
構造的な特徴から 病変のほとんどは 無線部とヒダ状縁に発生します。
また病変の程度によって 次のようなグレードに分類されています。
治療には 抗潰瘍薬を用いますが、
中でも 胃酸抑制作用の強いオメプラゾールの治療効果が高く、安全に使用されます。
内視鏡検査を行うことで 、治療薬の適正量を判断することが可能となります。
検査前に数時間の絶食が必要になりますが、
検査自体は鼻から内視鏡を入れて5-10分程度で終了します。
気になる症状などあれば、お気軽にご相談ください。
R