馬のノド鳴り
馬が運動中に異常な呼吸音を発することがあります。
これを 医学的には「喘鳴症(ぜいめいしょう)」といい、
原因の一つに喉頭片麻痺というものがあります。
吸気時に気管の入り口にある披裂軟骨が完全に開かず
気道が狭くなるために「ヒューヒュー」という喘鳴音を発します。
この喉頭片麻痺は反回神経麻痺とも呼ばれていますが、
麻痺を起こす原因は明らかになっていません。
99%以上が左側に起こり、
また牝馬より牡馬に多く(80%以上)、
牝馬の場合は500kg以上の大型馬に多いとされています。
診断は、内視鏡検査により行います。
(下写真の黄色矢印が、麻痺が認められる部分)
また安静時の検査では症状を示さず
走行中にのみ症状を示すことがあり、
その場合はトレッドミルという
馬用のルームランナーの上を走らせながら
検査を行います。
治療は外科手術を行うことが一般的ですが、
馬の喉頭は個々で構造が違うため非常に難しく
成功率は5-7割と言われています。
また術後の合併症も少なくなく、
誤嚥や感染症など十分注意が必要になります。
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