ティルドレン Tildren について (2)
いつのまにか前回の記事から時間が経ってました…(汗)。
だんだん暑くなってきましたね。メッシ先生も夏バテ気味の様子で、
昼間は少しでも涼しいところにいて、モグラもネズミも獲りに行きません。
超音波検査装置(エコー)の上のタオルがちょっと涼しかったのか、
たいへん高価なベッドでくつろいだりしています(汗)。
前回取り上げました「ティルドレンの作用機序」については、
公式HPの動画もありますので、ぜひチェックしてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=zeWFI2C_M4E&feature=youtu.be
ティルドレンはこのように「骨代謝のバランスをよくする作用」があり、
管骨骨膜炎(ソエ)や管骨瘤、ナビキュラー病、ボーンシストなど
多くの「骨代謝性疾患」に対する治療効果が認められています。
その一方で「強い消炎作用」があることも、着目すべき特徴のひとつになります。
炎症性サイトカイン(IL-6やTNF-α)の産生を抑えたり、または直接作用することで
熱や痛みが抑えられるのですが、これは投与後1週間以内にみられることが多いです。
「痛み」は言葉を話せない馬からの大事なサインですから、
薬の影響で痛みが抑えられているこの時期は、ぜひ慎重に・・・。
この時期に「もう治った」と誤解して調教を再開したり、調教強度を上げたりすると
残念ながらせっかくの良薬が、さらなる事故のもと、になることも・・・。
私たちはできるだけティルドレン治療開始前にレントゲンを撮り、現状を確認し、
その馬の治癒状況を考えながら運動内容をアドバイスするようにしています。
遠回りに思われるかもしれませんが、実は一番の近道になると考えて・・・。