ティルドレン Tildren について (1)
ティルドレンは 馬の「骨代謝」のバランスを整える薬 です。
「骨代謝」というのは、簡単にいうと「骨の新陳代謝」のことで
馬に限らず、私たちのからだのなかで常に起きている現象になります。
古い骨を壊す細胞(破骨細胞)と新しい骨を作る細胞(骨芽細胞)が
バランスよく働くことによって、骨は十分な「強度」を保っています。
骨代謝のバランスが悪くなると、骨が壊されるほうが多くなり、
骨が弱くなったり、痛みを感じたりするようになります。
ティルドレンはこのような「骨代謝のアンバランス」を改善する薬です。
どのように作用するかというと、
① 骨にティルドレンがくっつく
② 骨を壊す細胞(破骨細胞)が「ティルドレン付きの骨」を溶かす
③「溶け出したティルドレン」が骨を壊す細胞(破骨細胞)の中に取り込まれる
↑ 取り込まれたティルドレンの作用により、骨を壊す細胞(破骨細胞)は死んでいきます。↑
よく、ティルドレンは「骨を強くする薬」などと言われますが、
直接骨を強くするのではなく、このように破骨細胞の数が減ることで、
「骨代謝のバランス」が回復し、結果的に骨が強くなっていく、という薬です。
このようにティルドレンは ” 間接的で複雑な作用 ” の薬ですので、
治療効果はだいたい 3 週間くらいしてから現れると言われています。
でも「ティルドレンやってもらったらすぐ痛みがなくなったよ」という方も多いはず。
まだちゃんと治ってないけど、患部の痛みや熱感はなくなってしまう。
これがティルドレンという薬のちょっと難しいところです。
長くなってしまったので、続きは「ティルドレンについて(2)」のほうに・・・。