去勢の影響について (1)
「去勢したら馬って変わるの?」
この問題は馬関係者の中でも意見がわかれるところですが、
今回は、馬の獣医師の立場からみた「去勢の影響」のお話です。
去勢の定義は「牡馬の精巣を外科的に除去すること」です。
獣医学的には、鎮静や局所麻酔で痛みはコントロールできてるのですが、
見ている人からは「・・・痛そうですね」という感想が多い手術になります。
下の写真は先月当院で去勢をしたときの一場面ですが、
このように枠場で立ったままするか、全身麻酔で寝かせて行います。
去勢で「精巣」をとったら、馬にはどんなことが起こるのでしょう?
そもそも、「精巣」ってどんな働きをしているのでしょう?
Illustrated Atras of Clinical Equine Anatomy and Common Disorders of the Horse
精巣では、精子を産生する他に「テストステロン」というホルモンを分泌しています。
このホルモンは「副腎」でも作られますが、ほとんどが「精巣」で作られているため、
去勢で精巣がなくなってしまうと、このホルモンの分泌量も少なくなっていきます。
なので、獣医の立場からいうと、「去勢の影響はあります」なのです。
では、このホルモンはどんな役割を果たしていたのでしょう?
このホルモンが少なくなったときの影響は?
長くなってしまったので、続きはまた次の機会に・・・。